会長挨拶
Welcome Message

第36回日本心血管画像動態学会

第36回日本心血管画像動態学会
会 長 森野 禎浩
(岩手医科大学附属病院 病院長
内科学講座循環器内科分野 教授)

 このたび、第36回日本心血管画像動態学会を開催する運びとなりました。

 本学会の歴史は、1993年に設立された「日本心血管イメージング研究会」に始まり、2000年に「日本心血管画像動態学会」として発展してまいりました。現在では、IVUS(血管内超音波)やOCT(光干渉断層撮影)をはじめとする最先端のイメージング技術と、FFR(冠血流予備量比)やRFR(安静時冠血流予備量比)などの生理学的評価手法との融合により、心血管インターベンションの診断および治療の最適化が進んでいます。さらに昨年度より、心血管インターベンション分野におけるライブ研究会「FRIENDS」との合同開催が実現し、多くの参加者の皆様から高い評価をいただきました。これもひとえに、ご支援を賜りました企業の皆様のお力添えの賜物と、深く感謝申し上げます。同時に、この合同開催は、学会の原点に立ち返り、今後の方向性を見つめ直す貴重な機会ともなりました。本年も、さらなる発展を目指し、参加者の皆様にとって実りある学びの場を提供し、心血管医療と業界の発展に貢献してまいりたいと存じます。

 第36回大会のテーマは、「二刀流時代の到来:画像診断と生理学の融合」といたしました。このテーマには、画像動態学会とFRIENDSの共栄、画像診断と生理学という二つの診断モダリティ、侵襲的検査と非侵襲的検査、さらには循環器内科医と放射線科医の連携など、多様な「二刀流」の概念を込めています。また、令和8年には、異なるモダリティを組み合わせた新たな診断用カテーテルの登場が見込まれており、まさにこのテーマを象徴する製品の実用化が間近に迫っています。本大会の開催地である岩手にちなんだ意味も込め、このテーマを掲げるに至りました。本学会は、医師やメディカルスタッフの皆様はもちろん、企業の皆様にとっても、最新の研究成果の発信や新技術の発展に向けた重要な場であると考えております。製品・技術の認知拡大、新たなネットワーク構築の機会として、ぜひ本学会をご活用いただけますと幸いです。

 開催地である盛岡市は、東北の内陸に位置し、交通の要衝として発展してきた歴史と自然が調和するコンパクトな街です。2023年度には、ニューヨーク・タイムズ誌が選ぶ「その年に行くべき世界の都市」で第2位に選出されました。

 推薦者(クレイグ・モトさん)の手記によれば、「この盛岡市という街は、衝撃的だった。思いがけず生き生きとした街で、川や山々の自然が街中の風景に美しく溶け込んでいる。おいしいスコーンやコーヒーもあり、最高の街だと思った。(中略)若い人たちの活気で街が溢れており、40歳未満の人が営む店がとても多い。誰と話しても親切で、外から来た人を温かく迎える雰囲気がある。さらに、短期間の滞在にもかかわらず、代々続く店が多くあることに驚かされた。親子、祖父母と孫、さらには曾孫の世代までが共に店を営んでおり、18代続く工房まであった。親世代から店を“奪い取る”ように継承する若い世代もいた。」とのことです。極寒の1月開催ではありますが、「盛岡は初めて」という方も多くいらっしゃることと思います。教室員一同、趣向を凝らしたホスピタリティで皆様をお迎えしたいと考えております。おすすめのグルメマップもご用意しております。また、近隣には安比や雫石といったスキー場や、魅力的な温泉郷も多数あります。ぜひ、学会終了後の土曜日はご宿泊いただき、盛岡の冬を存分に満喫し、素敵な思い出をお持ち帰りいただければと思います。

 どこまでご提供できるかは未知数ではございますが、「知」「食」「楽」「友好」など、学術集会のあるべき姿を体感していただき、現地で学ぶことの意義を改めて感じていただければ幸いです。

 本大会の成功に向け、皆様のご支援とご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

謹白
2025年3月吉日

FRIENDS live 2026

FRIENDS Live 2026
会長 松尾 仁司
(岐阜ハートセンター院長 循環器内科)

 第11回目を迎えるFRIENDS live 2026は2026年1月に第36回心血管画像動態学会(岩手医科大学循環器内科 森野禎浩会長)との共同開催となります。テーマは“二刀流時代の到来-画像診断と生理学の融合-”です。この”二刀流”には様々な意味が込められています。FRIENDS live は2016年に機能的心筋虚血に焦点をあてたライブデモンストレーションと座学を通して”実臨床”と”エビデンス”を学べる会として第1回が開催されました。その後Physiologyは”虚血診断”のみでなく、将来の”心血管イベント発症予測”にも用いられるようになりました。また心血管イベントの予測には”画像診断で得られるプラーク性状”と、”生理学診断で得られるプラークへの機械的ストレス”が関与することが明らかになっています。さらに”imaging”と”physiology”が融合しCT、血管造影、OCT、IVUSなどの解剖学的情報からFFRを計算する新しい診断法が開発され、実臨床に応用されるに至っています。血行再建の治療戦略は冠動脈造影、プレッシャーワイヤー、IVUS・OCTなどの”侵襲的方法”にもとづいて決定されてきましたが、CTなど”非侵襲的方法”をもとに決定可能となる時代が現実のものとなってきています。この潮流の中、physiologyに特化した会として発足したFRIENDS LIVEも2023年より”imaging”と”physiology”の両方に重点を置く会に発展し、2024年からは同じ領域を扱う”心血管画像動態学会”と”FRIENDS LIVE”の合同有開催に至っています。また”国内”から”海外”に視野を広げ海外とのコラボレーションライブやセッションにも挑戦しています。今回は心血管放射線研究会との合同開催となり、”循環器内科医”のみでなく、非侵襲的画像診断を担う”放射線科医”とも活発な討論をかわすことができる日本で唯一の学会・研究会となります。こう考えるとこの10年間で、imagingとphysiologyの融合によって生じた進歩はすさまじく、本会に参加いただくことでこの領域の最新情報を整理することができます。冬の岩手で多くの先生方と熱い討論をできることを楽しみにしています。

2025年3月吉日